ホイールベース3165mm、全長5250mm、全幅1900mmにも達する巨体のはずが・・

前輪の切れ角が大きいため、こんなサイズからは信じられないほど小回りが利いて

使いやすいというSクラスの美点は、このモデルでも忠実に受け継がれています。

搭載される4.7リッターのV8ツインターボは、455ps（335kW）の最高出力

と、71.3kgm（700Nm）の最大トルクを生み出します！

最高出力の発生回転数は、5250-5500rpm 。最大トルクは1800-3500rpm

という広い回転域で発揮されます。つまり、どんな踏み方でも余裕感があり

思い切り床まで踏み込んでも、まだまだ全力を振り絞っているような感じ

がありません。

乗り心地は、徹底して重厚かつフラットで、基本的には驚くほど柔らかいのに、

どんな速度や路面でも変わらない。そして、癖も渋さも感じさせないステアリング

の手応えは、精妙そのものです。

行きたい方に気持ちを向けただけで、適切に操作している運転者がそこに存在します。

フロントウィンドウ上部に備わる、車両前方の物体を認識するためのステレオマルチ

パーパスカメラ。最大射程距離は500m。

ヘッドランプには、片側だけで最大56個のLEDが用いられています。

インテリアは、2本スポークのステアリングホイールやインストゥルメントパネルが

織りなす水平ラインが、乗員を取り囲み、フロントの左右座席間には、カーナビ／

オーディオの操作や車両のセッティングを行うためのスイッチ類が、整然と並んでいます。

計器類は12.3インチの大型液晶画面に表示され、その隣には同サイズのカーナビ用モニター

も置かれています。

全てのランプがLEDでまかなわれる「Sクラス」。照明で車内のムードを変化させる

「アンビエントライト」を含め、車内には最大300個のLEDが用いられています。

リアエンドに向かってなだらかに下がるシルエットや、サイドのキャラクターラインが、

デザイン上の特徴となっています。

トランクルームは500リッターの容量が確保されています。

様々な先進装備の恩恵を受けるのは、実はドライバーではなく後席の乗員かもしれません。

全面的に知能化されたクルマに最適の走行状態を演出させ、広々とした後席に身を沈めた

まま、安楽に過ごす時間を維持することが、高級セダンの醍醐味（だいごみ）というもの

ではないでしょうか。

オプション装備：AMGスポーツパッケージ（60万円）